報恩記念大会」は、平成24年(2012) 6月10日、パシフィコ横浜・国立大ホールにて、4000名を超えるご参加をいただき盛大に開催されました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。今度はぜひ妙深寺・法深寺に足をお運びください!

佛立魂

~脳挫傷から奇跡の回復~

平成5年4月3日。妙深寺のご信者にとって、この日付は忘れることができない日付です。当時の妙深寺御住職、先住長松日爽上人が、満開の桜咲く境内地で、町内観桜会の準備中、6メートルの崖より転落し、瀕死の重傷を負ってしまったのです。

自転車ごと頭から転落された御住職は、地面に頭部を強打し、耳から血が溢れ出ており、手の施しようがない状態。到着した救急員も「病院まで命が持つ保証はない」と語られたほど。緊急入院をした病院での診断は「頭蓋骨骨折、脳挫傷、頭蓋底骨折、硬膜下血腫、右肋骨骨折、外傷性気胸」という凄まじいもの。CTスキャンに映し出された頭部の映像は血で溢れ、ぶつけた衝撃で脳が片方に寄っている状態。胸部も、肋骨が肺に突き刺さりピンポン玉のように縮んでいる。脳幹へのダメージも見られ、手術すらも不可能。脳幹は、生命維持に重要な自律機能を調節する部位で、心拍や血圧を調節する循環機能、呼吸のリズムを形成する呼吸中枢、排尿中枢、また、運動神経などの核もここにある。もはや息をしていることが奇跡のような状態。もはやできることは何もない。医者ですらさじを投げるような状態。

そこから、妙深寺の本堂では、連日昼夜を分かたず24時間にわたって、寺内の家族はもとより、入れ替わり立ち替わりご信者さんがお参詣され、切れることなくただひたすらに御題目を唱え続けました。

辛い、辛い日々。目覚められるのか、それともこのまま見送ることになってしまうのか。先の見えない毎日。

ここで先住を失ってしまったのでは、「必ず御利益が頂ける」「妙とは蘇生の義」と言っているみほとけの教えが絵空事になってしまう。今まで自分たちがしていた信心は何だったのかということになる。

どうか、なにとぞ!

まさに、すがりつくような思い、御宝前に飛びかかろうとするようなお看経が続けられた。現ご住職も、家族として先住のかたわらで必死に御題目を唱えられ、24時間の看病をされていました。

そして、現証が現れた。

それは事故発生から49日目、5月21日の朝。大きな地震が起きた。そして日爽上人は、地震と共に突然意識を取り戻されたのです。

それからの回復は目覚ましく、一分の後遺症もなく、以前にも増して元気にご奉公に励むようになられました。

先住は、御題目のお力、尊さを身を挺して示してくださいました。私たち妙深寺は、この経験を絶対に忘れてはいけません。先住の御十三回忌を来年に控えた今、あらためてご信心の原点、現証の御利益を顕す「佛立魂」を思い起こしましょう。

詳しくはご住職が書かれた本、「佛立魂」にまとめられています。あれから13年。まだ読んだことのない方はぜひお手に取ってその息吹を感じていただければと思います。「お問い合わせフォーム」よりお申し込みください。